
【日時】2月15日【日】開場:13:00/開演:14:00(終了予定:16:30)
【料金】チャージ1,000円 + 1ドリンク以上オーダー
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18世紀に盛んに論じられた「調性格論」によれば、全24調性のうち変ホ長調は「荘厳・高貴」「英雄的・力強い」「温かみと明るさ」が特徴とされている。また調号が3箇所 (フラット=B, E, A) であることから、三位一体につながるともされてきた。平均律の普及や楽器の合理化、近代化以降、調ごとの響きの差は小さくなったとはいえ、有名な管弦楽作品に限ってもベートーヴェンの『交響曲第3番≪英雄≫』、『ピアノ協奏曲第5番≪皇帝≫』、モーツァルトの『交響曲第39番』や歌劇『魔笛』序曲、シューマンの『交響曲第3番≪ライン≫』、そして、R.シュトラウスの『交響詩≪英雄の生涯≫』、はたまたスーザの『星条旗よ永遠なれ』など、変ホ長調で書かれた作品が先に挙げたイメージ通りであることは、誰しも認めるところだろう。
実は今回取り上げる3曲のSPレコード音源を盤起こしで復刻したブッシュ四重奏団のコンピレーションCDが存在する。「この組み合わせでCDを制作したプロデューサーのセンス、見識はただならぬものだ」と感心する一方、実際の音源はお世辞にも良いとは言えないシロモノだった(現在ではサブスクでも聴取可能)。

「だったらあたらくしあが所蔵するオリジナル盤(米COLUMBIA MASTE RWORKS)でまとめて聴くコンサートを開催し、クレデンザ蓄音機で再生・録音したCD-Rを頒布してみよう」というのが、今回の『邂逅』開催の経緯である。
この3つの録音は1941年~1942年の1年弱の間に同じホールで収録されており、中でもモーツァルトとシューマンは同一期のセッション録音である。アメリカに渡り活動していく中で、その演奏の熟練度が頂点に達したブッシュ四重奏団の大戦前夜、大戦中録音にして、同じ調性の3曲。「きっと何らかの意図があったのではないか?」と思うのは穿った見方、聴き方だろうか?
[演奏盤]
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第16番 変ホ長調
K. 428 (421b)
1942年5月15日、25日
ニューヨーク、リーダークランツホール 録音
COLUMBIA MASTERWORKS SET MM-529


シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op. 44
ピアノ:ルドルフ・ゼルキン
1942年5月22日
ニューヨーク、リーダークランツホール 録音
COLUMBIA MASTERWORKS SET MM-533


ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲 第10番(旧第3番)
変ホ長調 Op. 51(B.92)
1941年6月3日
ニューヨーク、リーダークランツホール 録音
COLUMBIA MASTERWORKS SET MM-480


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