
[日時] 2026年6月7日(日) 14:00 開場/15:00 開演(18:00 終演予定)
[料金]チャージ1,000円 + 1ドリンク以上オーダー

粗削りな力と透明な構築感が同居する、VOX 時代のクレンペラー。
1950年代のウィーンで刻まれた音は、後年の巨大で峻厳なスタイルとは異なる、より直接的で、時に危ういほどの推進力を帯びている。
ウィーンの熱気をそのまま封じ込めた《復活》1951年ライヴでは、クレンペラーの棒が生む緊張が、オーケストラと聴衆の呼吸とともに立ち上がる。録音の粗ささえ、当時の空気をそのまま伝える重要な要素となっている。
乾いた質感が魅力の《イタリア》1954年録音では、ウィーン交響楽団の素朴な響きが、クレンペラーの明晰な造形とぶつかり合い、独特の透明感を生む。軽快さよりも構築の筋を重んじる彼の姿勢が、VOX のモノラル録音に鮮やかに刻まれている。
そして、端正で引き締まった《リンツ》1961年録音。後年の EMI 盤よりも軽やかで、線の細い響きが逆に構造の美しさを際立たせる。VOX 晩期の録音として、クレンペラーの“変わりゆく時期”を示す貴重な一枚。
3枚の LP が語るのは、ひとつの完成像ではなく、変化の只中にあったクレンペラーの姿。
その揺れ幅こそが、VOX 原盤で聴く価値そのものだ。
≪演奏盤≫

モーツァルト
交響曲 第36番 ハ長調 K. 425 ≪リンツ≫
ウィーン・プロ・ムジカ管弦楽団
VOX – PL 11.820
1961年 録音

メンデルスゾーン
交響曲 第4番 イ長調 Op. 90 ≪イタリア≫
ウィーン交響楽団
VOX – PL 6980
1954年録音

マーラー
交響曲 第2番 ハ短調 ≪復活≫
イローナ・シュタイングルーバー(ソプラノ)
ヒルデ・レッセル=マイダン(アルト)
アカデミー室内合唱団
ウィーン交響楽団
VOX – PL 7012
1951年5月18日 ウィーン・ムジークフェライン・ライヴ録音
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